2006年03月06日(月)
「ウェブ進化論」をめぐる考察

梅田望夫さんの「ウェブ進化論」について。
いまさらだが、この本を自分だけでなく、父の世代、そして大手企業に勤めている友人たちに勧めている理由について、触れておきたい。
リアルタイムで情報発信しているブログと、推敲され、まとめられた本。
いま、誰が、この「本」を読んでいるのか。
このことについて考えてみると、本著に出てくる二つの世代に挟まれた、もうひとつ世代の存在が浮かんでくる。
50年代生まれのマイクロソフトのビルゲイツに対して、70年代生まれのグーグル創業者たち。その間にいる、梅田さん自身を含む60年代生まれの人たち。
私は、60年代生まれの人たちの存在意義を二つの世代の橋渡しだと考えている。
web2.0という言葉は、新しい世界観を伝えるには、非常に便利な言葉だ。
ただ、web2.0しか知らない世代と、それ以前を知っている世代では、一つ一つの事象に対しての感じ方に大きな違いがある。
それは90年代後半のインターネット黎明期に感じていた「時代がついてきていない」という不安を思い出させる。
Windows95の登場。NetscapeからInternetExplorerへ。
ひとり1台パソコンがあり、名刺にメールアドレスが書かれていることが、珍しかった95年ごろ。
そして、Googleの登場。ブログやSNSでのコミュニケーション。
ネット上で、どこにも属さない一個人として、情報発信し、新しいネットワークを作ることができる今。
60年代生まれの私たちには、両方の世界を見ることができる。
しかし、残念ながら、それは一本のつながった線ではないのだ。
「こちら側」の世界の代表である50年代生まれの人たち。
そして、「あちら側」にいる70年代生まれの人たち。
「こちら側」から「あちら側」へ。
その二つの世界の間には、大河が流れていて、それを越えて行き来するのは難しい。
どちらかの世界にどっぷりつかってしまった人には、きっと見えない、時代の動き、流れを感じることができるのが、60年代生まれの人たちだ。
そして、その二つの世界の存在にやっと気づき始めた大勢の人たちに、「こちら側」の世界と「あちら側」の世界の違いを説明することができるのも、この世代だけではないのだろうか。
「ウェブ進化論」の内容について、「当たり前」で「特に目新しいものがない」という発言やブログがある。
IT業界の最先端で仕事をし、「新しいこと」ばかりを追いかけている人たち。
その人たちの多くは、自分たちの価値観や自分たちが情報発信している内容について、多くの人が理解できない、という現実に気づいていない。
IT関連の仕事や企業を「虚業」と言わしめている原因のひとつに、こういった人たちの発言や行動があると思う。
「ウェブ進化論」を手にして、はじめて二つの世界を知るという人が、日本人のほとんどだということ。そして、ひとりでも多くの人がその現実を知ることによって、「あちら側」の世界への道が開かれるということを、IT業界にいる人こそ認識すべきだと思う。
「ウェブ進化論」は、「二つの世界」をつなぐ、「最初の橋」なのである。
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